誰かに、ありがとうを伝えられる有難さ。(母の日を経て)
どうしても伝えなければなりません。誰かの遺言を形にするという有り難い経験。
今日は5月10日。2月にご依頼を頂きましたお客様からのお絵描きオーダー、最後の作品の納品を終えました。
maruをしていて巡り合ったHさん、出会ったときからグラスの手触り、マルに一目惚れをしたと言って、その場でマイグラスを頼んで下さるほどに、マルワールドを気に入ってくれました。ウタウタイの場にも、お知り合いを連れて来て下さって…思い起こせば感謝にキリも無く、最期の最期まで、もっと沢山の友人たちに、私の作品を贈りたかった。と、微笑んで、お話して下さった後日、3月の中旬、この世を旅立たれました。余命幾ばくも無い中、あの人にもお礼が伝えたい、お誕生日のお祝いがしたい、結婚のお祝いもしたい、開店のお祝いもしたい…とにかく感謝と祝福の言葉ばかりを私に伝えてくれて、想いを形に残したいと、maruを選んでくれました。
本日お誕生日を迎えられる方へのワイングラスは、Hさんが以前贈られた向日葵の花束を描かせてもらいました。ご依頼頂いた全ての作品はHさんに見せることが出来たし、とても喜んで下さって、死を目の前にして、こんなにも誰かの幸せを願えるものかと。和やかで清々しいお顔されていました。
私もいつその時が来るか分かりませんが、目処がついたからこそ、あれもこれもと思いの丈を私に託して下さったのだと思って、責任重大!こんな貴重、稀な経験はそうそう出来ません。本当にありがとうござゐました。
私の楽曲に「終始符」という作品があります。
私よりも、あなたが生まれて生きてくれたことが、どれほど尊いことか。。そんな想いを込めて、棺の中から遺していく人々へ向けた、餞のウタです。去り逝く者から、今を生きる者への餞別です。
皆さんとの出会いも然りですが、こうして色んなことが繋がって縁(円)を描いていけるのだと思います。
Hさんの作品を手がける最中に出会った方にも、偶然、余命を告げられたお知りあいがいたりと、それもまたご縁なのかなと。告げられた方も、どう、その方に寄り添うべきなのか初めてのことで考え悩まれていました。
残された貴重な時間に、選んで下さったことが、とてつもなく有難いことです。それに気づけたことを幸せに感じます。この出会いを生涯、大切にします。
必ず来るその日ですが、右往左往しながらも一生懸命に過ごします。
マルが繋いでくれた全てのご縁に感謝して、また明日を迎えたいと思います^^
読んで下さって、ありがとうござゐました。
2019.05.10 maru